拍と拍子・拍子記号

拍 -等間隔で刻まれる-

拍(Beat)は均等に刻まれるリズムのことです。

これがいびつに刻まれればどうでしょう?演奏している本人はまだしも、聴衆からすれば実にぎこちなく聴こえますね。人間の呼吸の循環、脈拍など規則性を持って説明される場面は多いと感じませんか?一定の周期によって規則的に聴こえる演奏は、聴く人に安心感を与えます。

拍と拍との間隔によって、曲のテンポ自体も決定します。AllegroやLargoなど、速度標語で示されることも多いですが、♩=60などと表記されることもありますね。

拍子 -規則的に強拍と弱拍が生じたもの-

拍がすべて同じ強さで刻まれれば、まるでお経の時に鳴らされる木魚のようで、音楽として変化が出ません。「強拍(きょうはく)」と「弱拍(じゃくはく)」を規則的に巡らせることで、音楽に躍動的なヴァリエーションが生まれます。

2拍子には2つ周期、3拍子には3つ周期、4拍子には4つ周期で「強拍」がきます。

拍子記号 -記譜の決まりごと-

拍子は実際の楽譜でどのように表記されるでしょうか?五線上では「拍子記号」と呼ばれる、分数で表していきます。分母は「1拍分の音符(どの音符を1拍分とするか)」、分子にはその音符が「1小節に入る数」を記します。

楽譜の冒頭には、いろいろな決まりごとが書かれています。

hyousikihu

ト音記号(音部記号)、調号、拍子記号。書き込む順番も一番左に音部記号、それに続いて調号、拍子記号はその次になります。*楽曲の途中で拍子を変える場合には、注意喚起をするために、小節線として縦の2重線「複縦線」を書き込んでから、拍子記号を記譜する慣例が一般的に用いられていますね。

単純拍子

「2・3・4拍子」は「単純拍子」と呼ばれ、すべての拍子の基本となります。いずれも1拍目が強拍になります。4拍子は3拍目を中くらいの強さの中強拍になることが多いです。

また、さらに細かく捉えて1つの拍を「表拍(上拍)、裏拍(下拍)」でカウントすることもあります。拍子を数える時、「1と2と3と4と」と数えたことはありませんか?この「1234」を表拍、「と」の部分を裏拍と呼びます。

複合拍子

3・9・12拍子のことを「複合拍子」と呼びます。単純拍子2・3・4拍子の各拍が3分割された拍子のことで、例えば6拍子は各拍が3分割された2拍子(3拍子+3拍子)で捉えることができます。そうすると、9拍子は3拍子、12拍子は4拍子で捉えられますね。

混合拍子

5・7・8・9・11拍子は「混合拍子」と呼ばれる特殊な拍子です。これらは上記の拍子を組み合わせたもので、例えば5拍子は2拍子と3拍子を足したもの、あるいは3拍子と2拍子を足したものと捉えることができます。捉え方の違いで、強拍の位置も変わってきますね。7拍子以降も同様の組み合わせパターンがありますので、楽曲を分析してみるときにぜひ意識してみましょう。

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拍(Beat)は均等に刻まれるリズムのことです。

これがいびつに刻まれればどうでしょう?演奏している本人はまだしも、聴衆からすれば実にぎこちなく聴こえますね。人間の呼吸の循環、脈拍など規則性を持って説明される場面は多いと感じませんか?一定の周期によって規則的に聴こえる演奏は、聴く人に安心感を与えます。

拍と拍との間隔によって、曲のテンポ自体も決定します。AllegroやLargoなど、速度標語で示されることも多いですが、♩=60などと表記されることもありますね。

拍子 -規則的に強拍と弱拍が生じたもの-

拍がすべて同じ強さで刻まれれば、まるでお経の時に鳴らされる木魚のようで、音楽として変化が出ません。「強拍(きょうはく)」と「弱拍(じゃくはく)」を規則的に巡らせることで、音楽に躍動的なヴァリエーションが生まれます。

2拍子には2つ周期、3拍子には3つ周期、4拍子には4つ周期で「強拍」がきます。

拍子記号 -記譜の決まりごと-

拍子は実際の楽譜でどのように表記されるでしょうか?五線上では「拍子記号」と呼ばれる、分数で表していきます。分母は「1拍分の音符(どの音符を1拍分とするか)」、分子にはその音符が「1小節に入る数」を記します。

楽譜の冒頭には、いろいろな決まりごとが書かれています。

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ト音記号(音部記号)、調号、拍子記号。書き込む順番も一番左に音部記号、それに続いて調号、拍子記号はその次になります。*楽曲の途中で拍子を変える場合には、注意喚起をするために、小節線として縦の2重線「複縦線」を書き込んでから、拍子記号を記譜する慣例が一般的に用いられていますね。

単純拍子

「2・3・4拍子」は「単純拍子」と呼ばれ、すべての拍子の基本となります。いずれも1拍目が強拍になります。4拍子は3拍目を中くらいの強さの中強拍になることが多いです。

また、さらに細かく捉えて1つの拍を「表拍(上拍)、裏拍(下拍)」でカウントすることもあります。拍子を数える時、「1と2と3と4と」と数えたことはありませんか?この「1234」を表拍、「と」の部分を裏拍と呼びます。

複合拍子

3・9・12拍子のことを「複合拍子」と呼びます。単純拍子2・3・4拍子の各拍が3分割された拍子のことで、例えば6拍子は各拍が3分割された2拍子(3拍子+3拍子)で捉えることができます。そうすると、9拍子は3拍子、12拍子は4拍子で捉えられますね。

混合拍子

5・7・8・9・11拍子は「混合拍子」と呼ばれる特殊な拍子です。これらは上記の拍子を組み合わせたもので、例えば5拍子は2拍子と3拍子を足したもの、あるいは3拍子と2拍子を足したものと捉えることができます。捉え方の違いで、強拍の位置も変わってきますね。7拍子以降も同様の組み合わせパターンがありますので、楽曲を分析してみるときにぜひ意識してみましょう。

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2023年08月12日