ピアノコンクールに入賞しやすい曲とは?自由曲の選び方やおすすめの曲をご紹介

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今回は、ピアノコンクールに出場する際の課題曲や自由曲の選び方について解説いたします。

日本のピアノコンクールは、全国規模から地域単位まで幅広くレベルもさまざまです。さらに、課題曲制や自由曲で出場できるなどコンクールのスタイルも多種多様。

そこで今回のコラムでは、ピアノコンクールに出場する際の課題曲や自由曲の選曲のコツやおすすめのピアノ曲などをご紹介します。

ピアノコンクールの選曲のコツは?

ピアノコンクールには、特定のピアノ曲が指定される課題曲制と参加者が演奏曲を選べる自由曲制の2通りのスタイルがあります。

課題曲はコンクールの主旨やレベルに応じて決められ、参加者は対象のカテゴリーから選ぶことになります。

一方、自由曲で参加できるコンクールでは、自分の得意なピアノ曲や敢えて難しい曲に挑戦するなど、選択肢は人それぞれです。

ここでは、クラシックのピアノ曲を前提とした自由曲選曲のポイントをご紹介します。

  • 規定の演奏時間内に弾ける
  • テンポが速い曲(例 Allegro Prestoなどの速度指示)
  • メジャーな練習曲集から抜粋(ツェルニー ブルグミュラーなど)
  • ハイドンやベートーヴェンなど古典のピアノソナタ
  • バッハやスカルラッティといったバロック時代の楽曲

コンクールでは、まずピアノ演奏の基礎が習得できているかが評価されます。そのため、スケールやアルペジオといった基礎的なテクニックが求められる曲を選ぶと好印象です。

さらに、技巧的な練習曲やロマン派の作品も自由曲にふさわしいと言えます。ただし、演奏時間が長すぎる曲やゆったりしたテンポの曲は、コンクールでは避けた方が良いでしょう。

まずは、自分の実力に合うピアノ曲で完成度の高い演奏を目指すことが、ステップアップにつながります。

コンクールでは何が評価される?

コンクールで弾く曲が決まったら、いよいよ本格的な練習が始まります。

練習は、譜読みからゆっくり練習、難しい箇所の部分練習、通し練習、暗譜をして仕上げという流れが一般的ですが、コンクールの曲も同じ練習で良いのか疑問に感じませんか?

そこで、ピアノコンクールで特に評価される点を、筆者の経験もふまえて挙げてみます。

  • 演奏の完成度
  • 曲の理解度
  • 暗譜の正確さ
  • ペダリング
  • 音の美しさや音楽的表現力
  • ステージマナー

6つのポイントを挙げましたが、コンクールで入賞しやすい弾き方とは、実は日々のレッスンの延長線上にあると思うのです。

つまり、コンクールで演奏する曲は、通常よりもじっくり時間をかけて向き合い、自信を持って弾けるように仕上げていくことが大切です。

そのために課題曲や自由曲の選曲は重要で、自分の力量に適した曲はもちろん、相性の良い楽曲を見つけるきっかけにもなります。

【ピアノコンクール】小学生におすすめの曲

ここからは、ピアノコンクールの小学生部門で入賞しやすい曲をご紹介します。いずれも、演奏時間3〜7分程度のピアノ曲です。(あくまでも参考ですので、予めご了承ください)

バッハ『フランス組曲』より第5番 ガヴォット

バロック音楽を代表する作曲家といえばバッハ。ピアノ学習者の必須課題といえるバッハのガヴォットは、小曲でありながら多声部をバランス良く弾き分けることが難しい曲です。

しかし、軽快で踊りたくなる曲調や全体の技術面から、コンクールでは小学生に適した楽曲となっています。

スカルラッティ『ソナタ』よりハ長調K.159L.104

バロック時代の作曲家であるスカルラッティのソナタハ長調は、コンクールでも演奏される機会が多い楽曲です。

リズミカルで装飾的な曲調のソナタハ長調には、トリルや重音奏法といったテクニックが求められます。さらに、洗練されたメロディラインや転調などの音楽性も重要。

難易度高めの曲ですが、小学生にもおすすめしたいピアノ曲と言えます。

ハイドン『ピアノソナタ』より第38番 ヘ長調

50曲以上のピアノソナタを作曲したハイドン。その中でも人気が高い第38番ヘ長調は、コンクールに最適なピアノ曲です。

特に、躍動感のある第1楽章は、技巧的でありながらドラマチックな一面があり、音楽性や想像力が求められます。

このソナタは難易度が高いので、小学校高学年におすすめです。

ピエツォンカ『タランテラ』

ピエツォンカの『タランテラ』は広く知られていないピアノ曲ですが、技巧的で聴き映えする曲でありコンクールにもぴったり。ツェルニー30番やブルグミュラー18の練習曲などを習得していれば弾けるレベルです。

同音連打や指の伸縮性、中間部分とのコントラストなど練習ポイントはたくさんありますが、完成度を上げていくとスキルアップにつながります!

ベルコヴィチ『パガニーニの主題による変奏曲』

数あるパガニーニ変奏曲の中でもベルコヴィチの作品は比較的弾きやすく、コンクールや発表会の人気曲となっています。

主題と10の変奏曲で構成され、セクションごとに明確な特徴を持った曲。テクニカルな部分は丁寧な練習が必要で、全体の仕上げまでじっくり時間をかけて取り組むことが大切です。

ショパン『ワルツ』より第14番 ホ短調

ショパンが1830年に作曲したワルツホ短調は、華やかさと優雅さのコントラストが美しい曲です。

広音域のオクターブ奏法やペダリングなど技術的な難しさに加えて、旋律を歌わせる表現力も不可欠。中級レベルの曲なので、ツェルニー30番または40番と併用して練習すると効果的です。

平吉毅州『真夜中の火祭り』

子どものためのピアノ曲集『虹のリズム』の中で最も有名な楽曲。ピティナピアノコンペティションの課題曲にも指定され、躍動感のある現代的な曲調で小学生向けの邦人作品として名高いピアノ曲です。

全体的にスタッカート奏法が際立ち、音の鋭さやアーティキュレーションの弾き分けが演奏の良し悪しを左右すると言えます。

【ピアノコンクール】中学・高校生におすすめの曲

ここからは、ピアノコンクールの中学・高校生部門で選ばれることが多いピアノ曲をご紹介します。演奏時間の目安は、5〜10分です。

ベートーヴェン『ピアノソナタ』より第11番 変ロ長調

ベートーヴェンが作曲した全32曲のピアノソナタの第11番は、伝統的なソナタ形式に基づく作品でありながら挑戦的な一面を持つ楽曲。

特に、アルペジオやトレモロ、オクターブのパッセージといった技巧的な第1楽章は、コンクールの課題曲に指定されることも多いです。

さらに、ロンド形式で構成される第4楽章も聴き映えするので、コンクールに適したピアノ曲と言えます。

モシュコフスキー『15の練習曲оp72』

ショパン練習曲との併用に最適なモシュコフスキー15の練習曲は、技術だけではなく、幅広い表現力を探求するためのピアノ曲です。

すべての練習曲が秀逸ですが、コンクールでは1番ホ長調、第2番ト短調、第5番ハ長調、第6番ヘ長調、第10番ハ長調、第11番変イ長調がおすすめ。

ショパン『12の練習曲оp10/оp25』

中学生または高校生を対象とするコンクールでは、ショパン12の練習曲から複数の曲が課題曲に指定される傾向があります。

「革命」「黒鍵」「木枯らし」「エオリアンハープ」「大洋」といった有名な曲をはじめ、оp10-4、оp10-8、оp25-3なども演奏される機会が多いです。

シューマン『幻想小曲集оp12』より飛翔

シューマンのピアノ曲の中でも有名な「飛翔」は、8曲からなる『幻想小曲集』の第2曲です。コンクールや発表会で演奏されることが多く、ピアノ学習者にとって憧れの1曲と言えます。

ロンド形式で構成され、力強い冒頭部分の重音奏法や内声部を美しく歌わせるテクニックが求められます。

ブラームス『2つのラプソディоp79』

第1番ロ短調と第2番ト短調からなる『2つのラプソディ』は、ブラームスが46歳の頃に作曲したピアノ曲です。

いずれもブラームスの情熱的で重厚感がある作風に基づく作品で、コンクールでも頻繁に演奏されています。難易度的には、中級レベルの第2番が比較的弾きやすいです。

一方、第1番は演奏が難しい曲ですが、躍動感と悲壮感のコントラストが魅力的で聴き映えします。

ドビュッシー『組曲 ピアノのために』

フランス音楽の代表的な作曲家といえばドビュッシー。そのドビュッシーが作曲した『ピアノのために』は、「プレリュード」「サラバンド」「トッカータ」からなる組曲です。

古典作品の片鱗を残しつつ、ドビュッシー独自のピアニズムが組み込まれた楽曲で、中でも「プレリュード」「トッカータ」はコンクールの自由曲にも適しています。

日本で有名なピアノコンクール7選

ここからは、日本で開催されているピアノコンクールの中から厳選した7つのコンクールをご紹介します。

ピティナピアノコンペティション

全日本ピアノ指導者協会が主催する国内最大級のピアノコンクール。未就学児からアマチュアまで参加資格が幅広く、希望者には審査員直筆の採点票が交付されます。

また、入賞者記念コンサートや課題曲チャレンジといった関連イベントも充実し、あらゆる面でピアノ学習者をサポート!

開催時期 【予選】5月〜7月
【本選】7月〜8月
【全国大会】8月中旬
部門 ソロ部門(A2級〜F級)
G・特級・プレ特級
デュオ部門
グランミューズ部門
ソロ部門・デュオ部門は課題曲制
G・特級・プレ特級・グランミューズ部門は自由曲
公式サイト https://compe.piano.or.jp/

全日本学生音楽コンクール

毎日新聞社が主催する国内トップレベルのピアノコンクール。1947年から続く歴史あるコンクールで、若手音楽家の登竜門としても有名です。

レベルが高く、音楽家を目指す学生にとって憧れのピアノコンクールと言えます。

開催時期 【予選】8月〜9月
【本選】10月〜11月
【全国大会】11月〜12月
部門 ピアノ部門(小/中/高)
ヴァイオリン部門(小/中/高)
フルート部門(中学/高校)
声楽部門(高校/大学)
チェロ部門(高校/大学)
【予選・本選】課題曲
【全国大会】自由曲                  
公式サイト https://gaccon.mainichi-classic.net/

日本クラシック音楽コンクール

3歳以上の未就学児から一般(年齢上限なし)まで、幅広い世代の方が参加できるコンクール。自由曲制のため、自分の得意な曲や音大受験前の力試しなど、いろいろな目的に合った楽曲で参加できます。

開催時期 【予選】6月〜8月
【本選】9月〜10月
【全国大会】12月
部門 ピアノ(幼児/小学生/中学生/高校生/大学/一般)
弦楽器
木管・金管楽器
声楽
打楽器
ハープ
自由曲制           
公式サイト https://www.kurakon.net/

ブルグミュラーコンクール

ピアノ教本でおなじみのブルグミュラー練習曲を課題とするコンクール。札幌から沖縄まで全国各地で地区大会が行われ、参加資格も幅広いです。

コンクール以外にも、課題曲の公開レッスンや説明会といったイベントが充実しています。

開催時期 【地区大会】9月〜11月
【ファイナル】12月
部門 ピアノ部門
幼児
小学1・2年
小学3・4年
小学5・6年
中学生
高校生
大人
ブルグミュラーの各練習曲より指定   
公式サイト https://www.burgmuller.org/

カワイこどもピアノコンクール

河合楽器が主催するピアノコンクールの一つ。こどもピアノコンクールは中学3年までが対象で、技術を競うよりも音楽性を伸ばすことを目的としているため、課題曲のレベルが幅広くなっています。

開催時期 【予選・本選】4月〜5月
【全国大会】8月
部門 ピアノソロ部門・連弾部門
中学生
Aコース 小学6年以下
Bコース 小学4年以下
Cコース 小学2年以下
全コース課題曲制             
公式サイト https://competition.kawai.jp/

ヤマハジュニアピアノコンクール

ヤマハが主催する子どものためのピアノコンクール。自由曲の選択肢が幅広く、音楽ジャンル問わずに演奏できる点がメリットです。

さらに、20歳以下を対象とするユース部門では、国際コンクールで課せられる曲が含まれ、高い演奏技術や表現力が求められます。

開催時期 【映像審査】2月〜4月
【セミファイナル】6月
【グランドファイナル】7
部門 ジュニア部門(満15歳以下)
ユース部門(満20歳以下)
課題曲+自由曲             
公式サイト https://jp.yamaha.com/products/contents/pianos/yjpc/

グレンツェンピアノコンクール

グレンツェンピアノ研究会が主催するコンクール。課題曲は、バロック・古典・ロマン派・近現代から指定され、幅広い年代のピアノ曲に触れることができます。

また、課題曲講座の有料配信や審査員の先生方からコメントがいただけるなど、ピアノ学習をサポート!

開催時期 【予選】7月〜12月
【本選】翌年の3月〜4月
部門 幼児
小学1・2年
小学3・4年
小学5・6年
中学生
高校生
一般
課題曲制                   
公式サイト https://glanzen.co.jp/

まとめ

今回は、ピアノコンクールの曲選びやおすすめのピアノ曲をご紹介してきました。

コンクールは発表会とは異なり、演奏が評価され点数や順位がつきます。そのため、ピアノコンクールに出場する際は、目的に応じた選曲が重要です。

さらに、日々のピアノ練習が負担にならないように、余裕のあるスケジュールで臨んでくださいね。

横浜市西区ピアノ教室ならソノール音楽教室にお任せください

横浜・みなとみらい駅より徒歩3分の音楽教室、ソノール音楽教室では、初心者の方からご経験者の方まで、レベルに応じた的確できめの細かいレッスンを行っています。横浜駅からもほど近く、アクセス良好・絶好のロケーションの当教室でピアノの習い事はいかがでしょうか?

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今回は、ピアノコンクールに出場する際の課題曲や自由曲の選び方について解説いたします。

日本のピアノコンクールは、全国規模から地域単位まで幅広くレベルもさまざまです。さらに、課題曲制や自由曲で出場できるなどコンクールのスタイルも多種多様。

そこで今回のコラムでは、ピアノコンクールに出場する際の課題曲や自由曲の選曲のコツやおすすめのピアノ曲などをご紹介します。

ピアノコンクールの選曲のコツは?

ピアノコンクールには、特定のピアノ曲が指定される課題曲制と参加者が演奏曲を選べる自由曲制の2通りのスタイルがあります。

課題曲はコンクールの主旨やレベルに応じて決められ、参加者は対象のカテゴリーから選ぶことになります。

一方、自由曲で参加できるコンクールでは、自分の得意なピアノ曲や敢えて難しい曲に挑戦するなど、選択肢は人それぞれです。

ここでは、クラシックのピアノ曲を前提とした自由曲選曲のポイントをご紹介します。

  • 規定の演奏時間内に弾ける
  • テンポが速い曲(例 Allegro Prestoなどの速度指示)
  • メジャーな練習曲集から抜粋(ツェルニー ブルグミュラーなど)
  • ハイドンやベートーヴェンなど古典のピアノソナタ
  • バッハやスカルラッティといったバロック時代の楽曲

コンクールでは、まずピアノ演奏の基礎が習得できているかが評価されます。そのため、スケールやアルペジオといった基礎的なテクニックが求められる曲を選ぶと好印象です。

さらに、技巧的な練習曲やロマン派の作品も自由曲にふさわしいと言えます。ただし、演奏時間が長すぎる曲やゆったりしたテンポの曲は、コンクールでは避けた方が良いでしょう。

まずは、自分の実力に合うピアノ曲で完成度の高い演奏を目指すことが、ステップアップにつながります。

コンクールでは何が評価される?

コンクールで弾く曲が決まったら、いよいよ本格的な練習が始まります。

練習は、譜読みからゆっくり練習、難しい箇所の部分練習、通し練習、暗譜をして仕上げという流れが一般的ですが、コンクールの曲も同じ練習で良いのか疑問に感じませんか?

そこで、ピアノコンクールで特に評価される点を、筆者の経験もふまえて挙げてみます。

  • 演奏の完成度
  • 曲の理解度
  • 暗譜の正確さ
  • ペダリング
  • 音の美しさや音楽的表現力
  • ステージマナー

6つのポイントを挙げましたが、コンクールで入賞しやすい弾き方とは、実は日々のレッスンの延長線上にあると思うのです。

つまり、コンクールで演奏する曲は、通常よりもじっくり時間をかけて向き合い、自信を持って弾けるように仕上げていくことが大切です。

そのために課題曲や自由曲の選曲は重要で、自分の力量に適した曲はもちろん、相性の良い楽曲を見つけるきっかけにもなります。

【ピアノコンクール】小学生におすすめの曲

ここからは、ピアノコンクールの小学生部門で入賞しやすい曲をご紹介します。いずれも、演奏時間3〜7分程度のピアノ曲です。(あくまでも参考ですので、予めご了承ください)

バッハ『フランス組曲』より第5番 ガヴォット

バロック音楽を代表する作曲家といえばバッハ。ピアノ学習者の必須課題といえるバッハのガヴォットは、小曲でありながら多声部をバランス良く弾き分けることが難しい曲です。

しかし、軽快で踊りたくなる曲調や全体の技術面から、コンクールでは小学生に適した楽曲となっています。

スカルラッティ『ソナタ』よりハ長調K.159L.104

バロック時代の作曲家であるスカルラッティのソナタハ長調は、コンクールでも演奏される機会が多い楽曲です。

リズミカルで装飾的な曲調のソナタハ長調には、トリルや重音奏法といったテクニックが求められます。さらに、洗練されたメロディラインや転調などの音楽性も重要。

難易度高めの曲ですが、小学生にもおすすめしたいピアノ曲と言えます。

ハイドン『ピアノソナタ』より第38番 ヘ長調

50曲以上のピアノソナタを作曲したハイドン。その中でも人気が高い第38番ヘ長調は、コンクールに最適なピアノ曲です。

特に、躍動感のある第1楽章は、技巧的でありながらドラマチックな一面があり、音楽性や想像力が求められます。

このソナタは難易度が高いので、小学校高学年におすすめです。

ピエツォンカ『タランテラ』

ピエツォンカの『タランテラ』は広く知られていないピアノ曲ですが、技巧的で聴き映えする曲でありコンクールにもぴったり。ツェルニー30番やブルグミュラー18の練習曲などを習得していれば弾けるレベルです。

同音連打や指の伸縮性、中間部分とのコントラストなど練習ポイントはたくさんありますが、完成度を上げていくとスキルアップにつながります!

ベルコヴィチ『パガニーニの主題による変奏曲』

数あるパガニーニ変奏曲の中でもベルコヴィチの作品は比較的弾きやすく、コンクールや発表会の人気曲となっています。

主題と10の変奏曲で構成され、セクションごとに明確な特徴を持った曲。テクニカルな部分は丁寧な練習が必要で、全体の仕上げまでじっくり時間をかけて取り組むことが大切です。

ショパン『ワルツ』より第14番 ホ短調

ショパンが1830年に作曲したワルツホ短調は、華やかさと優雅さのコントラストが美しい曲です。

広音域のオクターブ奏法やペダリングなど技術的な難しさに加えて、旋律を歌わせる表現力も不可欠。中級レベルの曲なので、ツェルニー30番または40番と併用して練習すると効果的です。

平吉毅州『真夜中の火祭り』

子どものためのピアノ曲集『虹のリズム』の中で最も有名な楽曲。ピティナピアノコンペティションの課題曲にも指定され、躍動感のある現代的な曲調で小学生向けの邦人作品として名高いピアノ曲です。

全体的にスタッカート奏法が際立ち、音の鋭さやアーティキュレーションの弾き分けが演奏の良し悪しを左右すると言えます。

【ピアノコンクール】中学・高校生におすすめの曲

ここからは、ピアノコンクールの中学・高校生部門で選ばれることが多いピアノ曲をご紹介します。演奏時間の目安は、5〜10分です。

ベートーヴェン『ピアノソナタ』より第11番 変ロ長調

ベートーヴェンが作曲した全32曲のピアノソナタの第11番は、伝統的なソナタ形式に基づく作品でありながら挑戦的な一面を持つ楽曲。

特に、アルペジオやトレモロ、オクターブのパッセージといった技巧的な第1楽章は、コンクールの課題曲に指定されることも多いです。

さらに、ロンド形式で構成される第4楽章も聴き映えするので、コンクールに適したピアノ曲と言えます。

モシュコフスキー『15の練習曲оp72』

ショパン練習曲との併用に最適なモシュコフスキー15の練習曲は、技術だけではなく、幅広い表現力を探求するためのピアノ曲です。

すべての練習曲が秀逸ですが、コンクールでは1番ホ長調、第2番ト短調、第5番ハ長調、第6番ヘ長調、第10番ハ長調、第11番変イ長調がおすすめ。

ショパン『12の練習曲оp10/оp25』

中学生または高校生を対象とするコンクールでは、ショパン12の練習曲から複数の曲が課題曲に指定される傾向があります。

「革命」「黒鍵」「木枯らし」「エオリアンハープ」「大洋」といった有名な曲をはじめ、оp10-4、оp10-8、оp25-3なども演奏される機会が多いです。

シューマン『幻想小曲集оp12』より飛翔

シューマンのピアノ曲の中でも有名な「飛翔」は、8曲からなる『幻想小曲集』の第2曲です。コンクールや発表会で演奏されることが多く、ピアノ学習者にとって憧れの1曲と言えます。

ロンド形式で構成され、力強い冒頭部分の重音奏法や内声部を美しく歌わせるテクニックが求められます。

ブラームス『2つのラプソディоp79』

第1番ロ短調と第2番ト短調からなる『2つのラプソディ』は、ブラームスが46歳の頃に作曲したピアノ曲です。

いずれもブラームスの情熱的で重厚感がある作風に基づく作品で、コンクールでも頻繁に演奏されています。難易度的には、中級レベルの第2番が比較的弾きやすいです。

一方、第1番は演奏が難しい曲ですが、躍動感と悲壮感のコントラストが魅力的で聴き映えします。

ドビュッシー『組曲 ピアノのために』

フランス音楽の代表的な作曲家といえばドビュッシー。そのドビュッシーが作曲した『ピアノのために』は、「プレリュード」「サラバンド」「トッカータ」からなる組曲です。

古典作品の片鱗を残しつつ、ドビュッシー独自のピアニズムが組み込まれた楽曲で、中でも「プレリュード」「トッカータ」はコンクールの自由曲にも適しています。

日本で有名なピアノコンクール7選

ここからは、日本で開催されているピアノコンクールの中から厳選した7つのコンクールをご紹介します。

ピティナピアノコンペティション

全日本ピアノ指導者協会が主催する国内最大級のピアノコンクール。未就学児からアマチュアまで参加資格が幅広く、希望者には審査員直筆の採点票が交付されます。

また、入賞者記念コンサートや課題曲チャレンジといった関連イベントも充実し、あらゆる面でピアノ学習者をサポート!

開催時期 【予選】5月〜7月
【本選】7月〜8月
【全国大会】8月中旬
部門 ソロ部門(A2級〜F級)
G・特級・プレ特級
デュオ部門
グランミューズ部門
ソロ部門・デュオ部門は課題曲制
G・特級・プレ特級・グランミューズ部門は自由曲
公式サイト https://compe.piano.or.jp/

全日本学生音楽コンクール

毎日新聞社が主催する国内トップレベルのピアノコンクール。1947年から続く歴史あるコンクールで、若手音楽家の登竜門としても有名です。

レベルが高く、音楽家を目指す学生にとって憧れのピアノコンクールと言えます。

開催時期 【予選】8月〜9月
【本選】10月〜11月
【全国大会】11月〜12月
部門 ピアノ部門(小/中/高)
ヴァイオリン部門(小/中/高)
フルート部門(中学/高校)
声楽部門(高校/大学)
チェロ部門(高校/大学)
【予選・本選】課題曲
【全国大会】自由曲                  
公式サイト https://gaccon.mainichi-classic.net/

日本クラシック音楽コンクール

3歳以上の未就学児から一般(年齢上限なし)まで、幅広い世代の方が参加できるコンクール。自由曲制のため、自分の得意な曲や音大受験前の力試しなど、いろいろな目的に合った楽曲で参加できます。

開催時期 【予選】6月〜8月
【本選】9月〜10月
【全国大会】12月
部門 ピアノ(幼児/小学生/中学生/高校生/大学/一般)
弦楽器
木管・金管楽器
声楽
打楽器
ハープ
自由曲制           
公式サイト https://www.kurakon.net/

ブルグミュラーコンクール

ピアノ教本でおなじみのブルグミュラー練習曲を課題とするコンクール。札幌から沖縄まで全国各地で地区大会が行われ、参加資格も幅広いです。

コンクール以外にも、課題曲の公開レッスンや説明会といったイベントが充実しています。

開催時期 【地区大会】9月〜11月
【ファイナル】12月
部門 ピアノ部門
幼児
小学1・2年
小学3・4年
小学5・6年
中学生
高校生
大人
ブルグミュラーの各練習曲より指定   
公式サイト https://www.burgmuller.org/

カワイこどもピアノコンクール

河合楽器が主催するピアノコンクールの一つ。こどもピアノコンクールは中学3年までが対象で、技術を競うよりも音楽性を伸ばすことを目的としているため、課題曲のレベルが幅広くなっています。

開催時期 【予選・本選】4月〜5月
【全国大会】8月
部門 ピアノソロ部門・連弾部門
中学生
Aコース 小学6年以下
Bコース 小学4年以下
Cコース 小学2年以下
全コース課題曲制             
公式サイト https://competition.kawai.jp/

ヤマハジュニアピアノコンクール

ヤマハが主催する子どものためのピアノコンクール。自由曲の選択肢が幅広く、音楽ジャンル問わずに演奏できる点がメリットです。

さらに、20歳以下を対象とするユース部門では、国際コンクールで課せられる曲が含まれ、高い演奏技術や表現力が求められます。

開催時期 【映像審査】2月〜4月
【セミファイナル】6月
【グランドファイナル】7
部門 ジュニア部門(満15歳以下)
ユース部門(満20歳以下)
課題曲+自由曲             
公式サイト https://jp.yamaha.com/products/contents/pianos/yjpc/

グレンツェンピアノコンクール

グレンツェンピアノ研究会が主催するコンクール。課題曲は、バロック・古典・ロマン派・近現代から指定され、幅広い年代のピアノ曲に触れることができます。

また、課題曲講座の有料配信や審査員の先生方からコメントがいただけるなど、ピアノ学習をサポート!

開催時期 【予選】7月〜12月
【本選】翌年の3月〜4月
部門 幼児
小学1・2年
小学3・4年
小学5・6年
中学生
高校生
一般
課題曲制                   
公式サイト https://glanzen.co.jp/

まとめ

今回は、ピアノコンクールの曲選びやおすすめのピアノ曲をご紹介してきました。

コンクールは発表会とは異なり、演奏が評価され点数や順位がつきます。そのため、ピアノコンクールに出場する際は、目的に応じた選曲が重要です。

さらに、日々のピアノ練習が負担にならないように、余裕のあるスケジュールで臨んでくださいね。

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