親指の対圧 (Counter Pressure)
ヴァイオリン演奏時の左手には正しい音程を現出させるだけでなく、ヴィブラートを用いて曲想を付けたり、複雑で速いテンポのパッセージや重音を演奏したりといった、正確かつ敏捷な動きが求められます。
自然で無理のない演奏を行う上でのチェックポイントとして、親指の対圧を弱めることが大切です。
ヴァイオリンを弾く際、楽器本体を保持するために、左手親指でネックに対して縦方向と横方向に圧力を加えています。
これを「親指の対圧:Counter Pressure」と呼びますが、この力が過度に強いと、ポジション移動をスムーズに行えなかったり、均質なヴィヴラートがかかりにくく、楽器が揺れてしまったり、また他の親指以外の4本の指の独立性(自由な動き)にも影響が出てきます。
楽器の支えは左手で行う
ヴァイオリンはその演奏姿勢から、一見顎で挟んで弾いているように見えますが、楽器本体の支えは原則的に左手で行います。これは健康上の面からも重要で、顎で過度に挟んで演奏していると頸椎や顎関節に負担がかかり、問題が生じるケースがあります。
例外的に、シフトダウン時(ポジションが下がる時)や長い音符にゆったりとしたヴィブラートをかける時などは、顎で補助的に支える場合もありますが、この際も挟むという感覚ではなく「添える」という表現の方が自然と思います。
全身の脱力の重要性
親指の対圧を弱めることは、全身の力を抜くことにもつながります。たとえ体の一部分に力が入っているだけでも、全身の力みは引き起こされます。ニュートラルな状態での演奏で脱力できているかが重要です。より力強い表現や繊細な表現が必要な際にも、全身の脱力が保たれていれば、スムーズにそれらの表現に移行することが可能になります。
例えば、ヴァイオリン曲の最高峰であるJ.S.バッハの6つの無伴奏ソナタとパルティータは、演奏時間にして2時間半ほどと長大です。これを1回の演奏会で全曲演奏されることがありますが、身体に負荷がかかった状態での演奏を続ければ、最後まで弾き切ることが不可能であると想像できると思います。
ぜひ毎日の練習時に「左手親指に力が入っていないか」「ネックを握りこむように人差し指と親指で挟んでしまっていないか」などについてチェックされてみることをおすすめいたします。
脱力のヒントになりましたら幸いです。
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<1と4の指のフレーム
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ヴァイオリンレッスンについて親指の対圧 (Counter Pressure)
ヴァイオリン演奏時の左手には正しい音程を現出させるだけでなく、ヴィブラートを用いて曲想を付けたり、複雑で速いテンポのパッセージや重音を演奏したりといった、正確かつ敏捷な動きが求められます。
自然で無理のない演奏を行う上でのチェックポイントとして、親指の対圧を弱めることが大切です。
ヴァイオリンを弾く際、楽器本体を保持するために、左手親指でネックに対して縦方向と横方向に圧力を加えています。
これを「親指の対圧:Counter Pressure」と呼びますが、この力が過度に強いと、ポジション移動をスムーズに行えなかったり、均質なヴィヴラートがかかりにくく、楽器が揺れてしまったり、また他の親指以外の4本の指の独立性(自由な動き)にも影響が出てきます。
楽器の支えは左手で行う
ヴァイオリンはその演奏姿勢から、一見顎で挟んで弾いているように見えますが、楽器本体の支えは原則的に左手で行います。これは健康上の面からも重要で、顎で過度に挟んで演奏していると頸椎や顎関節に負担がかかり、問題が生じるケースがあります。
例外的に、シフトダウン時(ポジションが下がる時)や長い音符にゆったりとしたヴィブラートをかける時などは、顎で補助的に支える場合もありますが、この際も挟むという感覚ではなく「添える」という表現の方が自然と思います。
全身の脱力の重要性
親指の対圧を弱めることは、全身の力を抜くことにもつながります。たとえ体の一部分に力が入っているだけでも、全身の力みは引き起こされます。ニュートラルな状態での演奏で脱力できているかが重要です。より力強い表現や繊細な表現が必要な際にも、全身の脱力が保たれていれば、スムーズにそれらの表現に移行することが可能になります。
例えば、ヴァイオリン曲の最高峰であるJ.S.バッハの6つの無伴奏ソナタとパルティータは、演奏時間にして2時間半ほどと長大です。これを1回の演奏会で全曲演奏されることがありますが、身体に負荷がかかった状態での演奏を続ければ、最後まで弾き切ることが不可能であると想像できると思います。
ぜひ毎日の練習時に「左手親指に力が入っていないか」「ネックを握りこむように人差し指と親指で挟んでしまっていないか」などについてチェックされてみることをおすすめいたします。
脱力のヒントになりましたら幸いです。
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