ボウイング -手首と肘の位置関係-

腕の重さを効率的に伝える

ヴァイオリン演奏における右手の技術として、弓の持ち方やサウンドポイントの概念などがありますが、「手首と肘の位置関係」はこれらと密接な関わりがあります。

“弓の重さ約60g”と”腕の重さ”を効率的に弦に伝えることは、腕ひいては全身の緊張を生じさせないためにも重要です。

曲中のニュートラルな状態で、自然かつ無理のない演奏が実現できれば、演奏の安定感が保たれるうえ、より力強い表現が必要な時や繊細な表現が必要な際にも、スムーズにそれらの表現へ移行することができます。

具体的には、元弓から中弓辺りでは「手首よりも肘の位置の方が低くする」ように意識すると、自然に腕と弓の重みを弦に伝えることができます。イメージとしては、ソファーのひじ掛けにもたれかかるような、あるいは電車のつり革につかまるような感覚などと表現できるかもしれせん。

衝撃を和らげるクッション性

この際、弓を持つ右手の「クッション性」がないと音がきつく、弓をぶつけたような演奏になってしまいます。そこで、弓の持ち方のコラムでも書かせていただきましたが、各指ともに丸みを持たせて、自動車のサスペンションのようなイメージで弓から弦への衝撃を吸収させることで、音の荒れを防ぐことができます。

また、中弓から先弓辺りにかけては、だんだんと弓圧が抜けていきますので、主に人差し指あるいは手全体で圧力をほんの少し加えて弾くようにすると、全弓での音量バランスや音色感が揃いやすくなります。この弓の位置では、G線では手首と肘の高さは同程度、E線ではやや手首の方が肘より低くなる位置関係が適切と思います。

効率的な練習のためにも、開放弦の全弓ボウイングなどで、姿見などで確認しながら肘や手首の高さ・位置関係をチェックされることをおすすめいたします。演奏を録画されてみるのも演奏フォームのチェック客観的に聴くことにつながり非常に有用ですので、こちらもぜひ試されてみてはと思います。

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弓と弦の接点 -Sound Point-

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“弓の重さ約60g”と”腕の重さ”を効率的に弦に伝えることは、腕ひいては全身の緊張を生じさせないためにも重要です。

曲中のニュートラルな状態で、自然かつ無理のない演奏が実現できれば、演奏の安定感が保たれるうえ、より力強い表現が必要な時や繊細な表現が必要な際にも、スムーズにそれらの表現へ移行することができます。

具体的には、元弓から中弓辺りでは「手首よりも肘の位置の方が低くする」ように意識すると、自然に腕と弓の重みを弦に伝えることができます。イメージとしては、ソファーのひじ掛けにもたれかかるような、あるいは電車のつり革につかまるような感覚などと表現できるかもしれせん。

衝撃を和らげるクッション性

この際、弓を持つ右手の「クッション性」がないと音がきつく、弓をぶつけたような演奏になってしまいます。そこで、弓の持ち方のコラムでも書かせていただきましたが、各指ともに丸みを持たせて、自動車のサスペンションのようなイメージで弓から弦への衝撃を吸収させることで、音の荒れを防ぐことができます。

また、中弓から先弓辺りにかけては、だんだんと弓圧が抜けていきますので、主に人差し指あるいは手全体で圧力をほんの少し加えて弾くようにすると、全弓での音量バランスや音色感が揃いやすくなります。この弓の位置では、G線では手首と肘の高さは同程度、E線ではやや手首の方が肘より低くなる位置関係が適切と思います。

効率的な練習のためにも、開放弦の全弓ボウイングなどで、姿見などで確認しながら肘や手首の高さ・位置関係をチェックされることをおすすめいたします。演奏を録画されてみるのも演奏フォームのチェック客観的に聴くことにつながり非常に有用ですので、こちらもぜひ試されてみてはと思います。

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2023年02月21日