拍感とフレーズ

音楽全体の流れに影響する「拍感」。言葉で捉えれば、特定のセンテンスに相当する「フレーズ」。

両者が時には自然な流れに、またダイナミックに演奏されるべき所では自在なテンポで抑揚をつけて、システマチックに奏でられるべき所では正確に粛々となど。表現にぴったりと合致した拍感とフレーズで演奏すれば、音楽が生き生きとしてきますね。

拍子の感じ方

少し専門的な内容ですが、拍子には「単純拍子(2,3,4拍子)」と「混合拍子(5,7拍子)」があります。いずれもすべての拍が同じ強さで演奏されれば、どうでしょうか?単調な演奏、棒読みのセリフのようになってしまいますよね。

強く感じる「強拍」と弱く感じる「弱拍」。これらが規則性を持って繰り返されることで、人間でいえば呼吸の循環のように、音楽にも流れが出てスムーズに進めていくことができるのです。

4拍子であれば1拍目が強拍、その次に3拍目を強く(中強拍)。2拍子・3拍子はそれぞれ1拍目に強拍が、5拍子・7拍子も1拍目が強拍と捉えていきましょう

音楽のセンテンス「フレーズ」

拍を感じて音楽に流れを作ったら、その次は旋律(メロディ)をどこまで持続させるか、またどこに向かうか。旋律の区切りとなる「フレーズ」を意識すると、聴き手に音楽のイメージを的確に伝えることができます。

むろんフレーズの始まりは、強拍から始まるかあるいは、弱拍から始まるかによってもずいぶんと印象が違ってきます。弱拍から始まる「アウフタクト(弱起)」では、次の強拍に向かうことで曲に引き込む求心力が強まります。際立たせつつ、次の拍に受け渡すようなイメージで演奏すると、音楽にメリハリがつきます。

前置詞や冠詞など、ヨーロッパ言語と結びつきを持って説明されることもあり、ロマン派以降の楽曲ではよく用いられる手法ですね。

フレーズの始まりの音をはっきりさせることは、前のフレーズとの途切れ目をつくることにもなります。意図的にフレーズを終わらせる場合は、だんだん弱く(デクレッシェンド)することも有効です。

音楽の流れ「拍感」そして、フレーズ。ぜひ意識して演奏されてみてください。音楽が生きたものになってきますよ。

* 混合拍子は、組み合わせの捉え方の違いによって、中強拍の位置は変わってきます。5拍子を2拍子+3拍子と捉える場合、中強拍は3拍目。「3+2」と捉えれば、4拍目に中強拍がきます。7拍子は4拍子+3拍子と捉えれば、5拍目が中強拍。「3+4」と捉えれば、4拍目に中強拍がきます。「2+2+3」などとさらに細かく捉える場合もあります。

コラム一覧

前の記事
<演奏時の直接音と反響音

レッスンのご案内

ヴァイオリンレッスンについて

音楽全体の流れに影響する「拍感」。言葉で捉えれば、特定のセンテンスに相当する「フレーズ」。

両者が時には自然な流れに、またダイナミックに演奏されるべき所では自在なテンポで抑揚をつけて、システマチックに奏でられるべき所では正確に粛々となど。表現にぴったりと合致した拍感とフレーズで演奏すれば、音楽が生き生きとしてきますね。

拍子の感じ方

少し専門的な内容ですが、拍子には「単純拍子(2,3,4拍子)」と「混合拍子(5,7拍子)」があります。いずれもすべての拍が同じ強さで演奏されれば、どうでしょうか?単調な演奏、棒読みのセリフのようになってしまいますよね。

強く感じる「強拍」と弱く感じる「弱拍」。これらが規則性を持って繰り返されることで、人間でいえば呼吸の循環のように、音楽にも流れが出てスムーズに進めていくことができるのです。

4拍子であれば1拍目が強拍、その次に3拍目を強く(中強拍)。2拍子・3拍子はそれぞれ1拍目に強拍が、5拍子・7拍子も1拍目が強拍と捉えていきましょう

音楽のセンテンス「フレーズ」

拍を感じて音楽に流れを作ったら、その次は旋律(メロディ)をどこまで持続させるか、またどこに向かうか。旋律の区切りとなる「フレーズ」を意識すると、聴き手に音楽のイメージを的確に伝えることができます。

むろんフレーズの始まりは、強拍から始まるかあるいは、弱拍から始まるかによってもずいぶんと印象が違ってきます。弱拍から始まる「アウフタクト(弱起)」では、次の強拍に向かうことで曲に引き込む求心力が強まります。際立たせつつ、次の拍に受け渡すようなイメージで演奏すると、音楽にメリハリがつきます。

前置詞や冠詞など、ヨーロッパ言語と結びつきを持って説明されることもあり、ロマン派以降の楽曲ではよく用いられる手法ですね。

フレーズの始まりの音をはっきりさせることは、前のフレーズとの途切れ目をつくることにもなります。意図的にフレーズを終わらせる場合は、だんだん弱く(デクレッシェンド)することも有効です。

音楽の流れ「拍感」そして、フレーズ。ぜひ意識して演奏されてみてください。音楽が生きたものになってきますよ。

* 混合拍子は、組み合わせの捉え方の違いによって、中強拍の位置は変わってきます。5拍子を2拍子+3拍子と捉える場合、中強拍は3拍目。「3+2」と捉えれば、4拍目に中強拍がきます。7拍子は4拍子+3拍子と捉えれば、5拍目が中強拍。「3+4」と捉えれば、4拍目に中強拍がきます。「2+2+3」などとさらに細かく捉える場合もあります。

コラム一覧

前の記事
<演奏時の直接音と反響音

レッスンのご案内

ヴァイオリンレッスンについて
2023年06月27日